企業によって、求められるリーダーシップ像は違いますね。ですが、どんな環境でも、リーダーはチームの統率を取れなければいけません。
そのための最低条件として、何が必要なのか、実際にリーダーの実経験からお答えします。
目次
周りとの協調性が高い人
まず、良いリーダーシップを発揮できる人は、総じて協調性が高い人です。
協調性とは、
協調性とは異なった環境や立場に存する複数の者が互いに助け合ったり譲り合ったりしながら同じ目標に向かって任務を遂行する素質。 by wikipedia
ちょっとwikiには、小難しく解説されていますが、協調性のある人とは、
「違う考え方や、立場でも協力し合える姿勢を持てる人」です。
人は、同じ人は存在しませんよね。
特に、自分にとっては癖が強い人とチームになったりとか、もっと言うと、嫌だと感じる人とも一緒にゴールを目指さなければいけない状況はあります。
リーダーの場合は、人一倍、協調性が高くないと、務まらないと僕は考えています。
なぜなら、自分とは全然タイプが違う人であっても、同じ目線で話をすることができたり、協力してもらえるように誘導したり。といったことができる人でないと、チームをまとめることができないからです。
違う言い方をすると、柔軟な考え方、理解の仕方で、相手に合わせて自分を柔軟に変えていける人だと思います。
時には、メンバー同士を協力させ合うようにも、仕向けて行かなければいけない時があります。
「職場には良い人ばかり」というわけにはいきませんよね。
ただ、常に同じ目線でリーダーが話をしてくれるということは、メンバーは「自分の事を理解してくれている」という安心感につながり、その延長線上にチームの結束を生み出します。
リーダーはメンバーとの協調性を常に意識するようにしましょう。
相手の立場を理解し、寄り添って話を聞いてあげることができる人
協調性にも通じる部分ではありますが、相手がどんな人なのか、人間分析能力がある人が良いリーダーシップを発揮できます。
なぜなら、人を分析できなければ、その人に対して、「どこまで踏み込んでよいのか」が理解できません。
人それぞれ、自分の領域に踏み込んでこられて、不愉快である線引きは必ずあります。
メンバーには常に気持ちよく、業務をこなしてもらう必要があります。
それが、WEB開発においての生産性につながります。
相手の立場というものを常に理解し、また、メンバーが悩んでいる時は、相手に寄り添って話を聞く姿勢を取れる人が、良いリーダーです。
「なんでこのタスク頼んだのにまだなの?」
「その範囲はあなたの担当ですよね?」
というような、リーダー側の都合や管理だけを押し付けるような質疑ばかりしていると、メンバーは圧迫感を感じ、ついてきてくれませんよ。
僕だったら、鬱陶しいだけです。
タスクについても、何か困っていることがないか、まだの場合は、何が壁になってできていないのかを一緒に考えなければいけません。
リーダーは、メンバーが成果を上げているかどうかではなく、常にメンバーに相談されるにはどうすれば良いかを考えなければいけません。
メンバーの悩みを解決することが、成果につながっていきます。
仕事が終わっていないからといって、せかしたり、責めたりしないようにすべきです。
どんなことがあっても怒らない人
良いリーダーは、どんなことがあろうと、怒ってはいけません。
よく、勘違いしている人が多いですが、リーダーはメンバーより昇進した、偉い人だと思っている方が多いです。
リーダーはメンバーの犠牲になるべき役割を担っています。
偉いのではなく、メンバーの渡る架け橋となって、ゴールへ導かなければいけません。
メンバーに対して、怒りを出す人は、メンバーが渡る橋を叩き壊す人です。
そんな人にリーダーは務まりません。
また、怒りの感情をぶつけることは、メンバーからの信頼を壊す行為です。
せっかく時間を掛けて積み上げてきた信頼を、一瞬で壊すことができる行為ですから、いかにプロジェクトが上手くいってなくても、怒りは見せないように。
怒りは、メンバーから白い目で見られるだけです。
意思決定がしっかりできる人
リーダーの立場は意思決定をしなければいけない場面が多々あります。迷いは禁物です。
リーダーが迷っていれば、メンバーはどこに向かっていけばよいのかわかりません。
ゴールを常に設定し、それに向かっていく決定力・遂行力が必要です。
「この人についていっていれば間違いない」
とメンバーから信頼されていれば、メンバーは安心します。
ゴールという出口がないと、生産性が下がります。やる気も失います。
リーダーは船そのものですから、どこかには到着しなければいけない。
極論、進路を間違っていても良いのです。人に完璧はありません。
間違っていても、また、ゴール先の軌道修正をすればよいだけですから。
胆力を持って、しっかりと自分に軸を持って、時には間違っていても、「この道でいく!」という力強さを持ってください。
それが良いリーダーの条件です。
場のまとめ役になれる人
リーダーは、MTG(ミーティング)などにおいても、メンバーの声を拾い上げ、まとめ上げなければいけません。
仕事に対するモチベーションは、人それぞれです。
メンバー全員が、常にやる気があり、MTGでも主体性を持って、意見を述べる。
そんな理想的なチームは中々ないでしょう。
あまり、発言したがらない人、浮き沈みが激しい人、あまり興味がない人、色んな人がいます。
リーダーはそういったメンバー達をまとめなければいけません。
MTGにも常に参加してもらうために、話の流れを各メンバーの持っていくように進める必要があります。
また、MTGは「シーン...」と静かな時も多いものです。
静かな中で、誰かが意見を述べている時は、リーダーがしっかり相槌を打って「話を聞いてるよ!」とメンバーに送ってあげなければいけません。
多くの、中間管理職の人は、人が話をしているのに相槌すら打てない人、多いですよ。
どうなってるのかなと思います。笑顔のない、エラソーな人。もう一度言いますわ。どうなってるのかな。
リーダーは、メンバーに参加型として場の雰囲気を作っていかなければいけません。
その意見を吸い上げ、次に繋げていける人がリーダーです。
徹底して、メンバーを守ることができる人
WEB開発プロジェクトを円滑に終わらせることは難しいです。
必ず何かしら、改善すべきことは見つかりますし、サイクルごとの振り返りMTGも重要です。
プロジェクトにトラブルはつきものですので、リーダーはどんなことがあっても、徹底してメンバーを守る責務があります。
僕は、自分がリーダー役として業務を遂行する時には、いかなることがあろうとも、メンバーを信頼し、断じて守る。これだけは決めています。
それは、上司から詰められた時でも同様です。なぜかというと、会社の土台となって、支えているのは従業員だと考えているからです。
皆、必要不可欠な役割がありますが、役職の付いていない社員は一番弱い立場です。子供でも同じでしょう。守るべきは弱い立場の人です。
過去にプロジェクトで、上司からメンバーが詰められた様に感じてしまい、問題になったことがあります。
結果的に、僕は上司からの信頼を失うことになりましたが、メンバーのことを最後まで守り通しました。
そのメンバーは会社を去ってしまい、今でもフォローしきれず、申し訳ないと感じています。
ですが、後日、違うメンバーから、「僕が最後まで守り通してくれていたことが嬉しかった」といってくれていたようです。
その後も、上司の方から面談時に「考え方が違う。開発メンバーよりだ」という厳しい意見をいただいていましたが、僕はメンバーをいかに精神的負荷をかけずに仕事に集中してもらえるかが勝負だと考えていました。
なので、開発メンバーよりなのは当然でありました。
それが、結果として、組織の強さにつながり、会社の強さにつながる。
人それぞれ考え方が違うのは、仕方がないことです。僕の組織の考え方と、上司の考え方に違いがあった。ただそれだけです。
上司からの評価は落としましたが、最後までメンバーが良く思ってくれていたことに僕は今でも誇りに感じています。
リーダーは組織の中間なので、良い意味でも、悪い意味でも人間関係の「板挟み状態」になります。
でも、いつも思うのは、弱い立場の人を守って、経営層に理解されなければ、それは、会社の風土と自分が合っていなかっただけです。
環境を変えることは、また辛いことですが、仕方がない。
自分を曲げて考え方を変えて、自分を見失うぐらいなら、会社と合わなかった。だから、また、新たな環境に挑戦していこうという気持ちの切り替えが出来れば、僕はOKだと思います。
良いリーダーは、「徹底して、メンバーに寄り添い、守る人」です。
時に、理解されないこともあります。自身の立場を犠牲にしても、貫く人が良いリーダーになれると僕は考えています。
まとめ
- リーダーは人一倍、協調性があることを求められる。良い意味で人に合わせることができる。
- 人に対する分析能力に長けていなければ、コミュニケーション時に不愉快にさせてしまう恐れがある。「どこまで深入りできそうか」を、その時々で見極める。
- 怒りは禁物。積み上げた信頼を一度に破壊することが「怒り」である。
- 迷いは禁物。考えると迷うは違う。間違っていても良い。メンバーが目指すべきゴールを常に示すこと。
- メンバーは十人十色である。色々な意見を引き出し、皆のまとめ役になれることが重要。
- 良いリーダーは、「徹底してメンバーを守る人」でなければいけない。それが上司からの評価を下げてしまうことになろうとも。