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論語と孔子

※本サイトはPR表記を含みます。

論語と孔子」を読みました。漫画版です。読みやすいです。あと、やっぱり漫画って活字だけではないので、絵を通して世界観を感じれるし、頭に残りやすい。
どうしても、昔の国の各地の派閥や名前を利かされても覚えるのに大変だし、登場人物と名前が一致しにくい。その点、一回読むだけでもなんとなくですが、覚えることが可能です。

ただ、孔子の書きとどめておきたい言葉などは活字だけとちがってハイライトができないので、後で振り返ることは活字よりもお手軽ではないですね。

孔子って、大学卒の人は授業とかで出るのですかね?自分は40過ぎて始めて孔子の本読みました。名前はなんとなく以前から知ってました(老子とか色んな子がつく名前が他にあるから誰が誰かわかっていない)が、どんな人物だったのかは知りませんでした。

「論語と孔子」を読んで

まず、孔子という人を一言で言ってみると、「信念の人」です。15歳から学に身を投じ、生涯を終える73歳まで、その姿勢を崩さないのが素晴らしいなと思いました。

ただ、孔子自身の人生としては、陽の目が当たることが少ない人生だなあと思いました。

生きている間は苦難の連続だったからこそ、天からみれば、歴史に名を残すにふさわしい人物かどうかの試練に見えなくもありません。

凡夫は目に見えないものに対し、確信を得ることは難しいです。人間としての様々な欲がある中、その信念を貫き通すというは難しい。

そして、孔子の意思や書き残したものが、滅後に長い年月をかけて、「論語」や「儒教」という形で弟子を始め、伝え続けられてきて、偉大な人物としてようやく広く人々の心の成長に貢献し、生きる希望を与える。

もちろん、孔子が実際に生きている間にも、弟子がたくさんいたし、かといって、当時の周りの国の人々からも認められていなかったわけではない。むしろ、認められているからこそ、王の臣下たちに疎まれ、中々、職にありつけない状態だもありました。

孔子は信念に生きるからこその生きづらさもありましたし、ストーリーを見る限り、自分に対しての妥協をしておけば、国の重要ポストについて、悠々自適な暮らしもできていたはず。でも、そうしない。自分が間違っていると思う事は間違っているとのべ、出国し、旅に出て、国の民に安定した暮らしをさせるために、人々のためにと行動しつづけるのですが、中々、生きている間に乱世の渦中の中で苦しめられていくことになりました。

何百年も過ぎたからこそ、その信念の生き方がなければ、こうして歴史に名を残しながら、人々の生きる基本となるような姿勢を教えることもできなかったはず。
歴史思考」という本を最近読みましたが、生きている間の出来事がどんな形で後の歴史に名を残すことができるかどうかなんて判断できっこないというのも納得だな。と思いました。歴史は複雑です。

孔子はたくさんの国の旅を続けて、最終的に「ろ」(漢字忘れたw)という元の自国に呼び戻されて、そこで国の重要人物として招き入れられ、なおかつ弟子たちの教育に力を注いでいきます。

ただ、自分の希望であった、愛弟子たちが先立っていかれる箇所は読んでいても辛かった。

最後に子貢(しこう)という弟子から、「人が生きてゆく上で一番大事に守ってゆかねばならないことは何ですか?」と質問されるのですが、孔子は「人に対する思いやり」と答えます。言葉を変えれば自分が望まないことは人にもしない。ということでした。

底が見えない程の勉学を積みながら、人が生きていくゆえでの一番大切なことは、「人に対する思いやり」。非常にシンプルであり、簡単なことのようで、常日頃から常にその姿勢を全うした人生を送るのは難しいかもですね。

一人一人が実践してこそ、平和な日々を創造・継続できる、奥の深い言葉だなと思いました。

論語と孔子」はKindleUnlimitedで読めます。オススメですよ。

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