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サイコロジー・オブ・マネー: モーガン・ハウセル

※本サイトはPR表記を含みます。

「サイコロジー・オブ・マネー 」という本を読みました。お金に対する向き合い方はもちろん、幸福の定義、人生において何を重要視すればよいのか、そんな方向性を示してくれるような、良い本でした。

本の紹介というより、自分がハイライトした部分について、どう感じたか、なぐり書きしている感じです。ですが、気になった箇所やフレーズが3つ以上ある場合は是非購入して読んで見る価値はあると思います。

はじめに

なぜファイナンスの世界では、清掃員のリードがトップエリートのフスコーンに負けない成果を指し得るのか?
1つは、経済的な成果は、知性や努力とは無関係の「運」に左右される部分大きいからだ。これはファイナンスの世界の真実であり、本書でも以降の章で詳しく説明する。

もう1つの理由は(私はこちらの方がより一般的だと考えている)、経済的な成功は「ハードサイエンス(物理学や数学などの分野)」では得られない、というものだ。

経済的な成功は、何を知っているかよりも、どう振る舞うかが重要な「ソフトスキル」の問題なのだ。私はこのソフトスキルを「サイコロジー・オブ・マネー(お金の心理学)」と呼んでいる。化学や物理学のようなものではなく、複雑で測定が難しい人間の心理や行動が大きく関わっているからだ。

→ 始めに社会的成功を収めたものの、お金の扱い方を知らないがため、散財する人の末路、普通?の清掃員の人がコツコツと貯蓄と投資をし、最終的には莫大な資産を築き上げるストーリーがありました。半面、知性や努力と経済的な富は「運」に左右されるウェイトも強く、またその上で冨に対する姿勢が必要になってくるあたり、運があるかどうかは置いといて、姿勢は心掛ければ誰でも可能なはずです。まずは姿勢を大事にしていきましょう。

 

第1章: おかしな人は誰もいない

どんなに勉強しても、どんなに想像力を膨らませても、直接体験した人と同じ恐怖、不安は体験できない。実際にその出来事を体験し、その影響を肌で感じなければ、行動が変わるほど理解するのは難しいのだ。

→ 経験に勝るものなし。人から聞いた体験談より、自分が実際に経験しなければ苦労も辛さも本当にわからない。知性なども同じかなと思います。人は簡単に変われない。

 

第2章: 運とリスク

一方で、運とリスクは測定するのが難しく、受け入れるのも簡単ではない。見過ごされてしまうことも多い。だが、運とリスクは紛れもなくこの世界に存在しているのだ。1人のケント・エバンスがいる、同じような能力と意欲を持ち合わせていながら、人生のルーレットのいたずらで、逆の結果に終わってしまった人物が。「世の中には運とリスクが大きな影響を及ぼしている」と十分に理解したとき、私たちは気づくはずだ。自分の含む誰かの経済的な成功や失敗は、見かけほど良いものでも悪いものでもないということに。

→ 運とリスク。誰もが知るビル・ゲイツ。学生時代に同じ志、同じ位優秀だったケント・エバンス。一緒に起業しようと将来を語り合っていた二人だけど、エバンスはハイスクールを卒業する前に登山中の事故で命を落としてしまいます。確率として100万分の1らしい。極端な例かもしれないけど、人それぞれに運とリスクがあり、という感じか。

人の経済的な豊かさは、両親の社会経済的地位に大きく依存しているからだ。同じ親のもとに生まれ、同じような教育を受けて人生の機会を得た兄弟は、同じくらいの収入を得るケースが多い。

だが金持ちの兄弟はたいてい、「自分たちにはこの研究結果は当てはまらない」と思っている。

→ 感覚的にですが大きく賛同できる内容です。やっぱり親の経済的地位、知識の豊かさが子供に影響を与える度数は高いと思う。逆もまたしかり。自身の過去を振り返ってみても、無知というものは何かを決断する際にも極めて良い思考の方向に向きづらい。それは進学とか、大事な決断の時にも影響すると思います。

失敗にうまく対処するコツは、1度や2度、投資に失敗したり、経済的な目標を達成できなかったりしたとしても、自信を失わないようにすることだ。必ずいつかは偶然が自分にとって良い方向に働くと信じながら、プレイし続けるのだ。
成功における運の役割を理解するほど、失敗におけるリスクの役割も理解できるようになる。そうすれば、自らの失敗を振り返るときも、自分自身を許し、冷静に結果を分析できるようになる、これはとても重要なことだ。

→ 特に金銭的な失敗は振り返りたくないし、なかったことにしたい。でも冷静に失敗した経験を分析できることは、大切なことだと思うし、次の挑戦につながると思う。

 

第3章: 決して満足できない人たち

現代の資本主義は2つのことに長けている。「富を生み出すこと」と「義望を生み出すこと」だ。この2つは良い効果を生むこともある。ライバルに負けたくないという気持ちは、努力の燃料になるからだ。だが、「十分」の感覚がなければ幸せは遠のく。古くから言われているように、幸福とは、「結果から期待値を差し引いたもの」なのだから。

他人と収入を比較してもきりがないということだ。比較をしている限り、誰も頂上には到達できない。これは決して勝つことのできない戦いだ。唯一、勝てる方法は、最初から戦わないことである。たとえ周りの人より収入が少なくても、「自分はこれで十分だ」と満足することが大切なのだ。

→ 「十分」の感覚。これ最重要。日本という今では豊かな状態、時代のタイミングで生まれてこれたこと自体に感謝できなければいけないと思う。それなりに生活できて、家族が健康で、それで十分。

収入?それはそれなりで、もっと家族との良い思い出を作ること、自分の好きな時間を過ごすことの方が人生長い目で見た時、大事だと思います。それは「DIE WITH ZERO」という本でも最重要だと言っています。

 

第4章: 福利の魔法

投資に関する最強かつ最重要のアドバイスが書かれた本のタイトルは、「黙ってじっと待て」であるべきだ。この本の中身は、長期的な経済成長を示すチャートが1ページにまとめられているだけである。

→ 投資は「黙って待たんかい」と。シンプルイズベスト。

 

第5章: 裕福になること、裕福であり続けること

お金を維持するにには、それとは正反対のことが必要だ。まず、謙虚にならなければならない。築いた資産があっという間になくなるかもしれないという緊張感を忘れず、倹約に努める必要がある。

自分が稼いだお金の一部は運によるものであり、過去の成功が永遠に繰り返されるとは限らないことを受け入れなければならない。

「成長」でも「頭脳」でも「洞察力」でもない。長期間、息絶えることなく、退場させられることもなく、あきらめずに頑張れるかどうか。それ大きな違いを生むのだ。これは投資であれ、キャリアであれ、経営であれ、戦略の礎となるべきものだ。「サバイバル」が重要である。

投機家はどれだけ金を払ってでも、傲慢にならないための方法を学ばなければならない。優秀な人間が大失敗するのは、たいてい傲慢さが原因だ。

→ 傲慢。これって、淡々とした日々を過ごしてく中で、気が付けば忍び寄ってくる存在。一度飲み込まれると、結構頭を打たないと謙虚さを取り戻すことって難しい。
お金の倹約も同じ。もし、十分すぎるお金があっても生活の質を変えるべきではないし、十分だと感謝を忘れることは許されない。そして、どんな成功につながるためにも必須な「サバイバル」。確かにです。

 

第6章: テールイベントの絶大な

何であれ、莫大な利益を上げたり、特別に有名になったり、巨大な影響力を及ぼしたりするものは、「テールイベント」(数千~数百万分の1の確率で起こる例外的な出来事)の結果だと言える。

天才的な投資家の定義とは、「周りの人たちが我を忘れているときに、当たり前の行動を取れる人」なのだ。

直観的に理解しにくいのは、私たちが成功例ばかりを目にしているからだ。1つの成功例を生むために必要だった無数の失敗作の存在に気づいていないだけなのである。

→ 「テールイベント」ってこの本で初めて知りました。社会的に成功した人はその部分だけにフォーカスされがちだけど、成功の確率ってそんなに例外的なのかと思いました。でも、そこで重要なのは、やっぱそれでも諦めないサバイバル術と、それに耐えうる環境「耐久力」なのかなと感じます。

 

第7章: 自由

最高の豊かさとは、毎朝、目を覚ましたときに「今日も思い通りに、好きなように過ごそう」と思えることだ。
人は、「幸せになりたい」から経済的に豊かになろうとする。幸せとは、喜びの源だからだ。だが、何をもって幸せとするかは人それぞれで、定義するのは難しい。
とはいえ、誰にとっても共通の要素はある。それは、「思い通りの人生を送れること」だ。好きなときに、好きな人と、好きなだけ、好きなことができる。
それは、何物にも代えがたい価値がある。そしてこれこそが、お金から得られる最高の配当なのだ。

従来の心理学が考察してきた客観的な諸条件のどれよりも、人間に幸福感をもたらす信頼性が高い要因は、「人生を自分でコントロールしている」という
はっきりとした感覚があることだ。

人は、自分が主導権を握っていると感じたいのである。つまり、運転席に座りたいと思っている。だから、誰かから何かをするように仕向けら」れると、急に無力感を覚える。自分で選択したのではなく、他の誰かに指示されたと感じるからだ。そのため、その行動そのものは好きだとしても、拒絶したり、他の行動を取ろうとしたりする。

一昔前に比べて、現代人は自分の時間をコントロールできなくなっている。そして時間を好きに使えないことは、幸福度に大きな影響を与える。
だから、かつてないほど豊かになった人々が、あまり幸せを感じていないのも無理もない。

→ 誰もが自分の人生を思い通りにしたいと思うのは当然のこと。でも、ほんの1世紀も満たない昔は。人生において選択の自由も育つ環境で決められてしまい、自由はなかった。人生において選択の自由、思い通りにできることは幸せに直結すると思う。でも「思い通り」という定義も人それぞれ。毎日決まった時間に仕事を始めて、それが自分の好きな仕事だったらなお幸せかと。生活には良いリズムって必要だと自分は考えているし、その対価としてお金を貰えることも幸せなこと。

 

第14章: あなたは変わる

福利の効果を享受するための第一の原則は「いたずらに投資を中断しないこと」だと言っている。清掃員として働きながら莫大な資産をつくったロナルド・リードや、世界一の投資家と呼ばれるウォーレンバフェットが成功した大きな理由は、何十年も同じことを続けて福利の力を存分に発揮させたことにある。

鍵を握るのは持続性だ。人間は時の経過とともに変化していく。だからこそ、人生のあらゆる局面でバランスをとることが将来の公開を防ぎ、投資を長く続けるうえでも最善の戦略になる。現役時代に、貯蓄、自由時間、勤務時間、家族と過ごす時間などを全て適度にすることを目標にすれば、極端な場合よりも、計画を継続しやすく、後悔もしにくくなる。

→ 鍵を握るのは持続性。「継続は力なり」という言葉を良く知られている言葉だけど。その通りなんだな、と。人は夢や目標を達成する過程で、どうしても自分を疑ってしまったり、楽しくなくなったり、色んな葛藤が出てくる。そこで持続させるのが難しくなったりが多いのかなと思います。

 

第16章: 市場ゲーム

つまり投資においては、「自分がどれくらいの時間軸で投資をしようとしているかを忘れず、別のゲームをしている他人の言動に惑わされないこと」ほど大切な考え方はない。

こんなふうに投資の「ミッションステートメント(行動指針)」を書き出すことで、自分にとって不要なものがわかるようになる。私にとって、「今年の市場はこれからどうなるか」「来年の景気が後退するのか」といった短期的な情報に常に注目し続けることは「自分のゲーム」ではない。だから、私はそれに特別な注意を払う必要もないし、誰かに説得されて無謀な投資をする危険性もないのである。

→ ここって結構重要だと感じていて、例えば、専門家を名乗る人に何かをお勧めされると、その商品に興味があるけど詳しくはない場合、妙に納得しやすくなってしまっている自分っていると思う。車とか家とか、金融商品とかもそう。ググったり、調べたりするけど、中途半端な知識で何かを購入しようとするとき、無意識的に専門家に頼ってしまう姿勢って誰でもあるはず。それが悪いというわけではないけれど、要注意と自分なりのプリンシプル(原理、原則)を持っていなければ危険だと思う。そこが自分自身まだ足りないのだと感じている。

 

第18章: 何でも信じてしまう

私たちは年齢に関係なく、同じことをしている。娘と同じように、限られた世の中へ釈明で自分勝手に世界を説明しようとする。独自の視点と過去の経験に基づいて(たとえ限られた経験であっても)もっともらしい説明をひねり出して理解しようとする。そして、彼女と同じくらい間違った理解をしている。世の中について、自分が思っているよりもはるかに少ない知識しか持っていないからだ。

→ なので「読書」→「知識」→「教養」って本当に大事なんだなと思いました。

 

第19章: お金の真理(ここを読むだけでOK)

サイコロジー・オブ・マネーのまとめがこの第19章に詰め込まれているなと思います。手っ取り早く、自分にとって必要な本なのかどうかを判断するためには良い箇所かと。

・物事がうまくいっているときには慎重に、うまくいかないときには寛容になぜなら、何事も見かけほど良くも悪くもないからだ。世界は巨大で複雑だ。運もリスクも現実に存在し、その影響を見極めるのも難しい。だから、自分や他人を評価するときは、「何事も、見かけほど良くも悪くもない」と肝に銘じよう。
運とリスクの存在を認めれば、自分がコントロールできることだけに集中しやくすくなる。適切なロールモデルを見つけるチャンスも増えるだろう。

・エゴを減らせば、豊かになれる。
貯金とは、「収入からエゴを差し引いたもの」である。富は、目に見えない。つまり富とは、将来、より多くのものや選択肢を手に入れるために、今買うものを抑えることで生まれるものなのだ。
どれだけ稼いでも、そのお金を今日、今この瞬間を楽しむことばかりに使ってしまえば、富は築けない。

・「夜、安心して眠れること」を優先してお金の管理をすべし
これは、巨額のリターンを目指すべきだとか、収入の一定割合を貯蓄すべきだとかいう話ではない。巨額のリターンを得なければ眠れない人もいれば、安全重視の投資をしなければ安眠できない人もいる。

つまり、お金に関する考え方は人それぞれだ。重要なのは、「この方法で投資をすれば、私は安心して眠れるだろうか?」と自問することだ。それは、お金についてのあらゆる判断における最高の指針となる。

・うまくいかないことがあってもの問題ないと考える。半分は間違っていても、資産は増やせる
なぜなら、結果の大部分をもたらすのはごく少数の投資だからだ。投資対象を問わず、うまくいかないことが多くてもかまわないと考えるべきだ。それが世の中なのだ。個々の投資ではなく、常にポートフォリオ全体を見て成果を測ること。うまくいかない投資がたくさんあり、かなりうまくいっている投資がごくわずかだけあるという構成になっていてもかまわない。通常は、それが最良のシナリオになるからだ。

・自分の時間をコントロールするためにお金を貯め、使う
自分の時間をコントロールできないことほど、幸せを強力に妨げるものはない。ファイナンスの世界がもたらす最高の配当は、好きなことを、好きなときに、好きな人と、好きなだけできることだ。

・自分がしているゲームを明確にする
自分とは別のゲームをしている人に影響されないように気をつけること

 

第20章: 告白

私の投資に対する哲学を一言で表すなら、「投資では、自分の目標を達成できる確率がもっとも高い戦略を選ぶべきだ」となる。
そして私は、低コストのインデックスファンドによるドルコスト平均法で投資することが、ほとんどの人にとって長期的に成功する確率がもっとも高い投資法だと考えている。

→ 投資についてのシンプルイズベストな答えがここにありますね。

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