結論から言うと、「かなり難しい」というのが正直なところ。なにごとも絶対に無理だとは言い切れませんが、かなり厳しいです。
なぜ、難しいか、一緒に考えてみましょう。
目次
結論: 環境によるが、「ほぼ無理」
先に結論を述べてしまいますが、40歳になってから、IT系の業界に転職するにはかなり厳しいと思います。
WEB系エンジニアとして働き始めて10年ほどの自分でも転職するタイミングもありましたが(コロナ禍の始まりだった・・)、転職活動を終えるのに約1年近くの月日が必要でした。
その時の生々しい様子はコチラです。
-
40代転職の実情と感じたことを述べます【前編】
続きを見る
40代未経験でIT系の世界に飛び込むのは、「飛び込もうとしても飛び込ませてもらえない現実」が待ち受けていると思います。
自分は30歳で未経験からIT業界へ転職しましたが、今現在でもベテランエンジニアを見ていると始めた時期は遅かったと感じています。
(もっと夢中になれる時代が欲しかった的な意味合いも含みます。科学的にも証明されてますが、一般的に年齢を取るほど色々な責任なども増え、何かに対しての熱度を保ち続けるのは難しいです)
自分はもともと底辺で、勉強する意味を感じることができなければしないタイプ。勉強するのが今となっては楽しいと感じることができていますが、昔はそんなのくそダルいと思っていました。もち、学歴も雑魚以下。バクテリアです。自分が興味を持った時に、能動的に学ぶ。きちんとした動機がないと全く勉強ができないタイプです。
そんな中で、特に十代は何かに興味を持ちやすい年齢、好奇心も豊富なので、ベテランエンジニアと言われる人は自分の好きなことを夢中になる中で知らず知らずのうちにスキルが身に付いていた。というのも要素としてはあると思います。
「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、自分は「WEBエンジニア」という職業は今では好きですが、もともと大好きでなった、という経緯もありません。
以下、過去にポストしました。
WEB開発がたまらなく好きでやってる人には、やっぱり敵わないですよ。それは、苦労を苦労と思わないから。
— ふわふわしょうちゃん@主夫WEBエンジニア (@FuwaFuwaShoChan) October 9, 2020
「好きこそものの上手なれ」は当てはまりますね。
ですが、「仕事のできる、できない」は別ですよ。
WEB開発を仕事と割り切っている人は、そこで勝負しましょうぜ。
「WEB」という世界は開発手法も進化し続けています。数年前のシステムはほぼ「レガシー化」します。(きちんと運用を考えた実装になっていたり、テストコードがあれば、レガシー化することなく長期運用は可能ですが、おおくは負の遺産を抱えたシステムになりやすいです)
技術に興味をもって勉強をし続けなければいけない世界でもあるので、若い時代からWEBに興味を持ちエンジニアをやってきた、という人は勉強というより、興味を持って「なぜ?」を突き詰めることが好きなのだろうなと感じています。
そんな勉強に対する積極的思考を、40代未経験からWEBエンジニアとして「ゼロ」からやっていけるかと考えた時、答えとしては、ほぼ無理だろうな、難しいだろうな、という結論に至ります。
では、次は具体的に何が難しいのか考えてみます。
IT専門用語になれるのが厳しい
人は新しい言葉に慣れるのに、四苦八苦します。それは大人になってからは特に苦になります。
ましてや、おじさんになるともっと苦になります。おじいちゃん?いうまでもありません。ネットの繋げ方も知りたくありません。
黒電話時代以降、何もやりたくないのです。マイナポイントぐらいでめんどくさくなるのですから。
と、いう流れを考察すると、年齢を重ねれば重ねるほど、新しいことに億劫になりがちです。
そして、40歳になってからIT未経験でプログラマーになろうと思うと、最初はIT専門用語の多さに腰が引けると思います。
まずは「独学プログラマー」という本や、IT専門用語解説本などを一読してみて、全く抵抗がありまへんで、というのであれば、先へ進むというのも全然アリだと思います。
■ 独学プログラマー
自分は、WEB業界へ転職してから最初の頃は IT専門用語の多さで頭が痛い毎日を過ごしていました。いかんせん、パズルの様に最初は単語の意味がつながらない。
なので「苦」そのものです。振り返ると、まだ独身の30歳だったからこそ、乗り越えられたと思います。だって、自分のことさえ考えていれば良いのですから楽勝です(笑)ただ、無理はせず、1年ぐらいは家に帰ってから勉強する体力もなかったので、ただ耐えつつ、やめず、少しずつIT専門用語に慣れていく日々を過ごしていました。
ちなみに、全く未経験でも頭に入ってきた専門書を紹介しますね。
まずは「どうやってインターネットはつながっているのか」ということを知ることも重要です。「図解でよくわかるネットワーク重要用語解説」は図解で頭に入ってきやすかったです。
次は、作らなければ何も始まりません。プログラミングなんて二の次、三の次です。
映画監督のスタンリーキューブリックは教え子たちに「まずはカメラとフィルムをもって、何でもいいからとにかく映画を作れ」と教えていました。
WEB制作も同じです。とりあえず何かを作りましょう。
どうやってブラウザの画面が構成されているのかを知るためにHTMLとCSSを組んでみて、実際に自分で作った成果物を作ることが重要です。
ある程度のWEBブラウザでHTMLを組むのになれたら、プログラミングの出番です。「パーフェクトPHP」という本が好きだったのですが、さすがに古すぎるので、改訂され続けているものが良いでしょう。PHPに関することが詳しく解説されているので「独習PHP」がオススメです。
実は、まだまだ未経験の方に勧めたい本がありますが、それはまたいずれ別記事にしたいと思います。
40代を越えてから全く新しい分野はどの世界でも厳しい
すでに述べたことですが、もう少し話題の深堀りをします。
まったく違う世界に飛び込むことは、どの年代でも精神的にも体力的にも厳しいと思います。(たとえ環境に馴染みやすい子供でもそれは同じです)
同じ業種でも転職をするだけで、職場における人間関係はリセットされてしまうため、最初は精神的ストレスが発生するもの。それが未経験の世界だとさらに辛いのは想像できるかと思います。
「何かを始めるのにすでに遅し」という言葉は個人的に嫌いですが、それなりの覚悟、いや、40歳を超えて未経験の分野を飛び込むことは、それ以上の覚悟を持って挑む必要はあると思います。
誰でも、継続的に同じ企業で気持ちよく働けるのであれば、それがベストでしょう。でも、何か人間関係に不満が出てきたり、理不尽なことが起きたり、考え方が変わったり、人生何が起きるかわかりません。
ましてや、自分も含め、今の40代は「就職氷河期世代」であり、終身雇用制などという夢物語の時代はとうに過ぎています。常に変化を求められ、自己を磨き続けていける人だけが、なんとか生き残っていけるような時代になってきていると個人的に思います。
気をつけたいのは「数か月でWEBエンジニアになれる」という謳い文句で、プログラミングスクールを開いているビジネスが良くありますが、そんな簡単な世界ではありません。(費用も高いので、目的によります。同じ仲間がほしいとか、横のつながりを求めるのであれば、価値はあるのかもしれません。スクールにいけば就職できるという期待はやめましょう。それは自分次第です)
何事も興味本位でやってみるのは全然ありですが、40歳を超えてからエンジニアとして仕事をしていくならば、しばらくは土日含めて勉強しても苦にならないぐらいでないと、ぐっとスキルを伸ばし、巻き返していくのは難しいと思います。
ただし、業務さえありつけることができれば、まじめに数年取り組めば結構やれるぐらいにはなれます。もちろん、WEBエンジニアも合う合わないはあると思います。やるだけやってみて合わなければ辞めるでも全然OKだと思います。(やらない後悔はしない方がいいです)
何でも挑戦は大事なので、「それでもやるんや!」という方は応援したいです。
ここまで、「そんなん無理やでーキツいでー」っていうのは簡単なので、次は、40代未経験から成り上がるにはどうしたらいいか?を少し考えてみたいと思います。
(それでもやるなら)まずはフリーランスで無理やり案件をこなす
恐らく、40歳を超えて、WEB開発業務未経験で就職するのは、ほぼ無理ゲーだと思います。なので、もしやるなら会社員として働きつつ、副業でフリーランスになって、さっさとポートフォリオを作ってしまいましょう。
別にユーザーを獲得する必要なんぞありません。自分が気に入るポートフォリオを作ったらいいと思うし、自分中心でかまいません。
ポートフォリオは今している仕事を続けながら、放課後にやるのがいいと思います。「WEBエンジニアになるー」って気持ちが先ばしっても、絶対に仕事を辞めない方がいいです。(ロクなことにならないので)
仕事が終わった後に少しずつ開発を進めて、自分のホームページや簡単なWEBシステムを作ってみることです。
その後に、クラウドワークス や、ランサーズ などでプロフィールにそのポートフォリオリンクを貼っておいて、安くてもいいので案件を勝ち取る。
で、納品すれば立派な実績になります。
いくつか実績を積み上げることができれば、さっさと就職活動をした方がよいです。
なにせ、通常業務で8時間みっちりWEB関連の業務環境を勝ち取ることが重要です。
最初のおすすめは、社内SE(社内システムエンジニア)です。さほど深い技術を必要としない業種を選ぶことが良いと思います。
体力に自信のある方はSESや受託開発などでゴリゴリやっていくのもありですが。(スキルは伸びますが、体力に自信がない方はオススメしません)
社内SEの情報システム部として業務で使うPCのメンテナンスや、ホームページの更新、ヘルプデスクなど多岐にわたって仕事は転がっています。
そうした、段々とIT関連業務に馴染んでいくことで未経験からWEBエンジニアへの道が切り開かれていくことが考えられます。
というか、自分がそんな感じでキャリアを積んだ経験があるので。(当時30歳で未経験でWEB系ブラック企業入れました。最初は組織に入ることができれば何でもOKです。1年もやれば実績はつきます。)
実績を作った後に転職活動を
40歳ともなると、何かの実績があるのとないのとでは新卒からキャリアを積んでいる人とは「雲泥の差がある」ということです。
エンジニア募集している企業はどんな企業であってもスキルがある、業務をこなせる人であることが大前提です。
その上で人として企業に馴染めそうか、お互い切磋琢磨できそうか、という観点で判断されます。
40代はエンジニアとしては当然として、リーダーとしての経験とか、管理職に就いたことがあるかとかも含め、よりハードルは高くなるでしょう。
いくら異分野の管理職に就いた過去があったとしても「WEB開発は未経験です」ってなると、どの企業もスルーされるのは目に見えています。
なので、とりあえず何でもいいので案件に携わり、その案件をこなすことによって、実績をつける。
そうすれば、プロとしてお金をいただいているのですから、仕事として成り立ったということになります。履歴書・職務経歴書にも自信を持って書けます。
もう一つアドバイスできるとすれば、WEBエンジニアになりたいとしても、今までの職歴に関連した業種のIT部門がないかを考えると良いです。
そうすれば、その分野の企業と関連した知識をお持ちということになるので、少し毛の生えたエンジニアスキルであっても重宝される可能性はぐっと高まると思います。
できるだけ詳細に職務経歴書に「何ができるか」を掘り起こしましょう。
自分は過去にビズリーチを利用して、職務経歴書を丁寧に入力しつつ、スカウトされるのを待ちつつ、転職活動をしていた時期があります。
数年前の話ですが、システムが利用しやすく、レジュメも書きやすいのでオススメです。ただし、転職エージェントからの面談の誘いは全てスルーでOKです。
ビズリーチなどで、今までのキャリアを活かしつつ、横展開でWEB系にシフトしてくようなキャリア戦略は現実的だと思います。
例えば、40歳からでも5年も経てば、がんばり次第でそこそこなレベルまで行けると思うので。
自分は決してスキル的には優秀なWEBエンジニアだとは思いませんし、これからも日々勉強し、学ぶことに終わりはありません。
40歳を越え、何か新しいことを始めようと思う前に、今までやってきたことを少しでも活かせることは何かを自分自身で考えてみるべきです。
答えは、自分にしかわかりません。職歴は立派なスキルなので、それを組み合わせて、できるだけ自分の得意な方へ綱渡りしていくことが成功への近道だと思います。
そうした「スキルとスキルの掛け算」をしていくことで、一般的に無理だと感じられる壁をも破るキッカケになると思います。
まとめ
- 40代未経験から新しい分野への挑戦はどの世界でも厳しい
- それでもやるなら、まずはポートフォリオを作成し、簡単な副業として実績を積む
- スキルとスキルの掛け算で勝負していく